6月に看護学科主催の特別授業が行われました。
講師の先生は、聖路加国際病院、聖路加看護大学のチャプレン、ケビン・シーバー先生です。
チャプレンとは、学校や病院などの施設に置かれているチャペル(礼拝堂)の牧師のことを言います。病院の患者のみならず、働いているスタッフも対象に相談や疑問に対応され、「話を聴くこと」が仕事の中心だということも初めにお話しされました。
今回は、先生のご経験を織り交ぜながらの特別授業の内容と、学んだこと・感じたことについてご紹介したいと思います。
この授業の中心的な内容となった「話を聴く」ということは、私たち看護者の基本姿勢と共通しています。相手の話を聴く、相手に寄り添う、無条件に受容して信頼関係を築くなど、まさに私たちに求められる姿勢ではないでしょうか。
シーバー先生のお話の中で、私たち看護者と特に関連していると感じたのは
「最期を迎えている人との接し方」についてでしょうか。
看護師は常に人の命と向き合い、時には死に立ち会うこともあるとても尊い仕事です。
患者さんの置かれている立場を理解し、共感を示すこと、寄り添うこと。
それは時に温もりのある触れ合い(スキンタッチ)もそうでしょう。
先生は、このスキンタッチは、時に言葉にまさる力があるとおっしゃっていました。
また、「医療・看護には限界がある、時にはどうしようもできない状況が発生する」
そして「自分も不完全な人間であるということを素直に認めることが必要」だと・・・。
そして「祈りながらできることをやっていくしかない」と話されました。
参加者それぞれで感じ方も違ったかもしれませんが、多くの人は、命の尊さ、そして看護という
仕事の尊さを改めて実感したのではないでしょうか。
看護師である前に人としての自分を見つめなおす貴重な機会となりました。
最後に、フロアとのディスカッションの時間も設けられ、学生からの質問や、本学で開講されている「認定看護師養成コース(集中ケア)」の受講生(すでにICUなどの第一線で活躍されている看護師さん)からの質問もありました。
特に現役ナースの質問は、現場の臨場感も伝わってきて学生には看護の現場を垣間見る良い機会にもなったのではないでしょうか。
この特別授業は、不定期ではありますが、学外から特別に講師をお招きしてご講義いただくというものです。本学では、多分野にわたり、このような貴重なお話を聴くことができますよ!!