今回のブログでは、看護学科の教員が取り組んでいる研究の一部をみなさんにご紹介いたします。
麻しんや風しんが、成人の間で流行し問題になったことをご存知ですか。
インフルエンザにかかり、寝込んでしまった方はいませんか。
私たちのグループは、「大学生の感染症予防対策」というテーマで、学生を感染症から守るシステム作りを保健室と連携し検討しています。
病院や地域で実習をする看護学生にとり「感染症から身を守る!接する相手を守る!」、これはとても大切なことです。また、施設実習、教育実習や海外留学をする他学科の学生にとっても同様です。
では、具体的な感染症予防の流れを説明します。
☞感染症・罹患歴の調査
生まれてから今までに接種したワクチンやかかった感染症(麻しん、風しん、水とう、ムンプス、B型肝炎など)について調査します。入学前に、送付した調査票に「母子手帳」を見ながら記載し、入学式の日に提出していただきます。
☞ワクチンで予防できる感染症の抗体検査
自分が感染症に対してどのくらいの免疫(抵抗力)があるかを調べます。学生のみなさんが、自分の身体の情報を知る、良い機会になります。
☞抗体検査の結果説明と予防接種の勧奨
上記2つの調査を行い、感染症罹患のリスクが高い医療系と医療系以外の学生に対し、本学で検討した予防接種指針に沿って、予防接種の必要性を判定します。そして、追加接種が必要な学生には接種勧奨を行っています。
もちろん!学生全員へ個別に対応し十分な説明をしています。
この時に使うのが、「予防接種手帳」です⇓
改訂を繰り返し、現在の形になりました。この手帳は、全学の学生に配布しています。
では、手帳の一部をご紹介します。
・手帳の使い方を記載したページです。⇓
・抗体の検査結果を記載するページです⇓
ここを見ると、予防接種が必要な感染症がすぐにわかります。
・幼少期の罹患歴・予防接種歴を記載するページです⇓
入学式で回収した調査票をもとに記録します。
☞看護学科での手帳の使い方
看護学科では、全学年で実習があるので、実習前には必ずこの手帳を実習コーディネーターに提出してもらいます。
実習コーディネーターは、予防接種手帳を見て、学生の予防接種状況を把握し、接種漏れがあれば予防接種の勧奨をします。実習前に、体の準備が整っているかをチェックするのです。
看護学生の「感染症予防対策」から始まった研究ですが、現在は、保健室を中心に大学全体で取り組んでいます。
学生のみなさんが、安心して元気に大学生活を送れるように、今後も研究を続けていきます。
写真は、左から保健室の大内田、看護学科の目野、樋口 です。
なお、この研究は、西南女学院大学保健福祉学部付属保健福祉学研究所の助成を受けて実施しました。
研究成果は、西南女学院大学紀要(vol.16, vol.20)、日本小児保健協会学術集会(第57回, 第58回)及び関連学会において発表しました。