10月に入り、朝晩の涼しさも増し日に日に秋が深まっているようです。
9月後半から、1年生の後期演習「生活援助技術論」が始まっています。
この日は、生活援助技術のうち、「全身清拭」と「足浴・手浴」の演習が行われました。
「清拭」のデモンストレーションの様子です。
(※画像はクリックすると拡大されます)
こちらは足浴の演習です。
患者役の学生に声かけをしながら行っています。
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こちらはベッド上での手浴の演習です。
昇降式のキャスター付きテーブルを使い、仰向けの状態で両手を乗せて行っていますが、 患者役の学生から、「なんか肩がきつい・・・」
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『皆がやっているからそうするのではなく、どうすれば患者様にとって安全・安楽かを考えましょう』教員からそんな言葉が投げかけられます。
「こうしてみたらどうだろう?」
それぞれに試行錯誤しながら、患者様の視点に立った援助を考えます。
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4年生も、教員からのアドバイスを受けながら、1年生に指導する立場として演習に入りました。
最後に、1年生全体に向けて4年生からアドバイスです。(※画像はクリックすると拡大されます)
「今回は学生同士だったが、実践の場では疾患を持つ患者様であること、それを踏まえた安全・安楽な援助が必要であること」
「動線を考え、患者様に負担のないような工夫をすること」
「自分たちの実践をお互いに振り返ることで、さらに学びが深まること」
等、実習での経験を踏まえ1年生に教えてくれました。
これから、看護技術の基礎となる「バイタルサイン測定」「排泄食事介助」と演習が続きます。
信頼される上級生、信頼される看護師を目指して、1年生が今頑張っています!!
月別アーカイブ: 2017年10月
看護学科の研究 File.2
キャリア支援という言葉をご存知ですか.
学生が生涯をみすえて職業・進路を選択できるよう支援することです.
看護職には,看護師・保健師・助産師そして養護教諭と多くの職業があります.
私たちのグループは,「保健師学生のキャリア支援」というテーマで,
本学を卒業し,保健師としてはたらいているOGたちと連携しています.
保健師課程の公衆衛生看護学実習は,看護師課程の実習を終えた最終学年で実施されるため,職業を選択し就職活動を始めるまでに保健師と出会ったことがない学生も少なくありません.
学生にとって,大学の先輩であり,現役の保健師であるOGと交流できることは,
学生にとって将来のキャリアを描く上でとてもよい機会になっています.
では,具体的な交流会の流れを説明します.
☞交流会の様子
第1部:全体会では,行政(北九州市),産業(宇部興産),学校(大学健康管理室)ではたらくOGが,『私が保健師になるまでの道のりと保健師活動のおもしろさ』を発表します.
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第2部:学生3名ずつグループをつくり,複数のOGたちとテーブルを囲み,お茶を飲みながらリラックスした雰囲気の中で語り合います.
学生が,将来の職業や進路について,考えたり悩んだりしていることはもちろん,結婚と仕事の両立といった女性の人生についても,思いを話したり聞いたりします.
下は,座談会の様子です.
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☞保健師アイデンティティの調査
「保健師アイデンティティ」とは,「学生が保健師という職業を通して,自分らしさという感覚をもつこと」を言います.
OGと交流することによって,この得点が変化するのかをみるために,交流会の前後で,学生を対象にアンケート調査します.
☞OGの支援に対する受けとめ調査
交流会後に,学生がOGとの交流によって,
どのような支援を得られたと感じたかの調査を行います.
「保健師アイデンティティの調査」と「OGの支援に対する受けとめ調査」を行い、その関係を調べます.
☞ 結果1
保健師アイデンティティ得点は、交流前より後が高くなっていました.
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☞ 結果2
学生は,いずれの支援項目も9割以上が支援を得られたと受けとめていました.
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学生は卒業生の支援を高く評価しており、また保健師アイデンティティ得点は、交流後に合計及び殆どの項目で増加したことから、卒業生の支援を生かしたキャリア支援に効果が期待できると考えられました.
写真は,2017年9月9日に開催した交流会の写真です。
参加者は,保健師課程を志望する2年生と卒業生保健師の集合写真です.
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今後は,交流会に参加した学生が卒業したら,OGとして交流会に加わり,保健師ネットワークを形成しながら,学生また卒業生へのキャリア支援を継続,発展させていきたいと考えています.
看護師に比べて募集人員が少なく,競争倍率が高い保健師職ですが,学生が希望する職業を選択して目標をかなえられるよう,大学全体で取り組んでいます.
なお,この研究は,西南女学院大学保健福祉学部付属保健福祉学研究所の助成を受けて実施しました.
研究成果は,日本看護学会論文集(日本看護学会;看護教育,第47号,p3-6,2017)および日本公衆衛生学会(第75回),日本看護学会看護教育(第47回)において発表しました.