2016年度欧州研修を実施しました。

 2016年度の観光文化学科欧州研修として、216日~同28日までの間、西欧・東欧の計4ヵ国を訪問しました。宿泊都市はオーストリアのウィーンとザルツブルク、ドイツのミュンヘンです。ウィーンからブラティスラヴァ(スロヴァキア)とショプロン(ハンガリー)に日帰りで出かけました。参加学生は3年生の湊晴香さん、2年生の宇都宮由佳さん、梶原美里さん、西岡礼乃さん、眞弓菜那さん、1年生の大野真子さん、髙島七緒さん、星倉美月さん、吉原華歩さんの計9名で、引率はドイツ語圏の観光研究を専門とする友原嘉彦准教授が担当しました。また、友原准教授の現地在住の友人であるハーラルト・クレーブルHarald Krebl氏、マルクス・イゲルMarkus Igel氏(以上、ウィーン)、奥山由美氏(ミュンヘン)にもお会いし、現地でのさまざまな状況について話を聞くことができました。厚く御礼申し上げます。

 参加学生は全員が初の欧州訪問でしたが、観光地としてのあり方を始め、人々の生活の様子や様式、街の作り、思想、歴史など毎日たくさんのことを学び、考えました。そして、本場の芸術(建築、歌劇、美術、料理など)にもたくさん触れてきました。今回の研修が今後の学生生活、そして、人生に大きな影響をもたらしてくれたら幸いです。以下、集合写真を挟み、参加学生を代表して湊さんと髙島さんのレポートを掲載いたします。

①シェーンブルン ②ハーラルト ③ショプロン ④ベルヴェデーレ ⑤ザルツブルク ⑥フュッセン ⑦ダッハウ ⑧奥山

「中欧からの学び」 湊晴香

 ヨーロッパに初めて訪れ、島国の日本とは文化も何もかもが違うということを肌で感じた。たとえば、オーストリアは近隣のハンガリーやウクライナ等の様々な国から料理が交差、または輸入されて美味しいものができる。日本は島国なので、他国からの影響がさほど大きくなく日本独自の伝統料理を生み出し、守られていると感じた。

 また、ヨーロッパは個人主義であるのに対し、日本はどちらかというと集団主義だ。個人主義とは他人と自分を切り離して考えるということができるということだ。その考え方はとても生産的で良いと思う。日本では(日本に限ったことではないかもしれないが)、人と違うことや、目立ったことをすると叩かれる風潮がある。他人なのだから考え方が違って当然だと思うのだが、日本人の出る杭は打っておこう精神には疑問を感じる。私の勝手なイメージだが、自分らしさを殺して集団の中の歯車になることが望ましいと社会に思われている気がしてならないので、どうも納得いかないのである。しかし集団主義にもいいところはある。たとえば大震災の後の犯罪率の低下や復興のための団結力は集団意識の賜物だといえる。どちらも一長一短ではあるが、他人は自分とは違う生き物だから考え方が違って当然だ、という意識を多くの人が持つことで少しは平和になるのではないかな、と思った。

 また、オーストリアは交通の便が非常に良く移動しやすかった。路面電車や地下鉄の交通網が発達しており車を所有している人が少ないそうだ。このへんは東京と似ている。ヨーロッパは他国にも行きやすくて旅行の敷居が低いのも良い。日帰りでハンガリーのショプロンとスロバキアのブラチスラバに訪れた。ショプロンは物価と医療費が安いため、オーストリアから通っている人も多いそうだ。同じ東欧でも違う歴史を歩んできているわけで、街並みや人の表情にも違いがあった。ドイツ人・スロバキア人は無愛想で難しい顔をしている人が多く、ハンガリー人・オーストリア人は楽しそうで温厚な表情の人が多いように感じた。特にハンガリーの若い女子たちはおしゃれで生き生きとしているのが印象に残っている。この違いはその国が歩んだ歴史も関係しているのだろうか、と興味がわいた。ドイツは世界大戦の賠償金支払いで苦労した。オーストリアは政略結婚で領土拡大していった。もしも、お国柄の違いや歴史的背景が現在の国民の性格や表情に関係しているのだとしたら非常に面白いことである。

 私は今回の研修で最も楽しみにしていたことがある。それはグスタフ・クリムトの接吻を見ることだ。どれくらいこの絵が好きかというと、高校の美術の授業で、好きな絵画を選び、その理由と自分なりの解釈を述べよ、というレポート課題が出た際、接吻について書いたほどだ。それを自分の目で見たときは夢のようで、別世界にいるようだったことを覚えている。男性のケープに貼られた金箔が輝いて、女性の顔は透明感があって柔らかい。ダイナミックかつ繊細で、圧巻の一言だった。ちなみにこの絵の男性はクリムト自身をモデルにしている。男性が女性の頬にキスしているけれど女性は別の方を向いていて、気持ちの温度差があるのか、はたまた女性は見せつけるように見る者の方を向いているのか?明確な設定がないため様々な解釈ができて見飽きない絵である。今回の研修で見ることができて本当に良かった。

 ミュンヘン大学の白バラ記念館ではヒトラー政権に毅然と立ち向かった学生集団がいたことを学び、色々と思うところがあった。弾圧されながらも、周囲に流されずに自分たちの頭で考えて行動した彼らはとてつもなく勇敢で立派だ。もし自分がその時代の大学生だったら、政権に見つかった場合に何かされるのではないかと、怖くて行動することなどできないと思った。ヒトラーは「人々が思考しないことは政府にとって幸いだ」と言っている。今日の若者が選挙に行かないのもこの言葉に通じるところがあるのではないだろうか。考えることをせず、無知で、流されるままの人は、政府・社会の・周りの、いいように「利用」されやすい。自分を省みるいい機会となった。

 その後訪れたダッハウ強制収容所ではユダヤ人迫害の歴史を学んだ。ユダヤ人が迫害されなくてはならなかった理由の一つが、ユダヤ人が銀行などの金貸業や大学の教授などの肉体労働以外の仕事をして高給をもらっていた為にドイツ人から反感を買い、憎まれたからだということを聞いた。いつの時代もお金に関する恨みは争いの種になり、やがて人を殺すのだと知った。お金がないから賃金がもらえる戦争に参加し、人を殺しているのは現在も同じだ。平和でいるためにはある程度のお金が必要ということである。収容所の門には「労働すれば自由になれる」とかかれてあった。自由になれるように一生懸命働いた結果が虐殺なんてあまりにも惨すぎた。収容所の中には当時の選挙ポスターが展示されていた。ヒトラー(ナチス)は危険だと訴える政党がほとんどなのにも関わらず、ドイツ人はユダヤ人に対する憎悪から、ナチ党を選挙で選んだ。この選挙でドイツ人たちはユダヤ人が酷い目にあってほしいと思って投票したのだろうか。仕事をつくるなどあいまいな言葉でユダヤ人を大量に虐殺したならもうそれは人間のやる所業ではない。また、某映画で見た収容所のベッドやシャワー室(ガス室)がそのままで衝撃を受けた。狭い部屋でガスを浴びせられて何の罪もないユダヤ人が苦しんで死んでいったという事実に、ただただ胸が痛んだ。戦争も紛争も小さな争いも、他人・他国を尊重しないために起こる。それは飢餓や貧困で困っている発展途上国に手助けをしない先進国にも言えるし、先進国同士、発展途上国同士にも言える。利己的にならずに助け合うことが人間関係を円滑にし、ひいては世界の平和維持の一歩であると思った。

 以上がヨーロッパ研修で学んだ、感じたことである。どの経験も異文化理解につながる、非常に有意義な研修であった。

湊さん① 湊さん②

「異文化の世界と出会い」 髙島七緒

 私はこのヨーロッパ研修を通して、ヨーロッパにある建物や歴史を学ぶだけではなく、ヨーロッパで楽しめるものやヨーロッパならではの雰囲気など様々な事を学んだ。また、現地の人の面白さや温かさ、親切さや日本とは違うフレンドリーな一面もたくさん見ることができた。

 中でも印象に残っているいくつかの場面がある。まず1つ目は、ハンガリーに行った日だ。この日は初めてマルクスに会った。私たちはマルクスの笑顔や優しさにとても癒され、安心感を持った。そしてハンガリー見学で私は何よりも物価の安さに驚いた。ウィーンに売ってあるチョコレートと全く同じものがおよそ3分の1の価格で販売している。国と国の距離も離れていないのにこんなに近い国同士でもここまでの価格の差があると言うことに私は驚きを隠せなかった。私たちは、ショプロンにあるカフェで休憩をした。そこではとても親切に私たちと接してくれる店員さんがいた。日本にはあまりないような独特な匂いと雰囲気でとても居心地のいいものだった。私は日本にもこんなカフェが欲しいと思った。それから私たちはオーストリアに戻り、ベルヴェデーレ宮殿に行った。私はここで残念に思ったのがフラッシュなしでも、撮影自体が禁止されていることだ。この研修を通して1番美術作品で写真を撮りたかったのはベルヴェデーレ宮殿だった。ここにはナポレオンの絵や、かわいい顔をした像などがあった。また、この日は人生で初めてのオペラ鑑賞をした。会場に入るとそこは賑わっていて場所取りもたくさんされていてとても人気のある場所なんだと思った。

 2つ目は、ザルツブルク見学だ。ここでは、ザルツブルク市街を見学しレジデンツ広場に行きホーエンザルツブルク城、モーツァルトの誕生地にも行った。ホーエンザルツブルク城は景色を一望できるほどの高さに建っていて、その景色は街の様子がわかるようなとてもいい景色だった。だいたいが屋根は黒っぽく、壁は白っぽいデザインで統一されていた。また、私は初めて馬車に乗った。馬はとてもおとなしく、そして馬の歩く音、それに合わせた揺れがとても気持ちいいものだった。市街をぐるぐると回ることもできとてもいい経験ができたと思う。この地でとったレストランでの昼食は日本人との出会いもあった。その女性は1人旅をしているそうだ。私はとても憧れを持ったとともにかっこいいと思った。いつか、私も1人旅でいろいろなところに行き、現地の人に助けられ、たくさんの出会いをして行きたいと思った。モーツァルトの誕生地ではモーツァルトの生まれた家にいき、今までのモーツァルトについて学べたと思う。ただ、1階はお店に変わっていたことが少しだけ残念だ。ザルツブルクは夜の街もとても綺麗だった。ザルツブルクはきっと観光にもいい場であり、住むとしても住み心地の良い場所ではないかと思った。

 他にも忘れられない様々な経験できてよかったと思う。私が1番行けて良かったと思うのはBMW博物館だ。そこではたくさんの車やバイクが並び、私は車が大好きで外車が特に好きなのでとてもワクワクした。夢が広がった。BMWの形や見た目がとても好きなので本当に夢のようだった。そして、ロールスロイスがあるとは思ってもいなかったので本当に今でもそのわくわくは忘れられないと思う。

 この他、日本とは違うところなどもたくさん発見できた。例えば、レストランではご飯を食べる前のおしぼりが出てこないということ、ライスはほとんど見なかったこと、電車の乗り方やお店の閉店時間たくさんの違いがあった。私はこの研修を通して本当にドイツ語を学びたいと思ったし、この地に住みたいとも思った。しかし、日本でこれだけ長く生活しているので、コンビニがほとんどない生活、夕方7時頃にはお店はほとんど閉まり、スーパーも閉まり、スーパーもお店も日曜日はほとんど開いていないという生活を送れるのだろうか?とも思った。レストランで手を拭く習慣がないのは日本人からしたらものすごく気持ち悪いものではないかと思う。私はウェットティッシュを持っていて正解だと感じた。ご飯はとても美味しく、研修に行く前はレストランがとても高いと聞いていたが、私は値段相応なのではないかと思った。値段が高いぶん美味しく、ボリューム満点だったし、安いものはもちろん美味しかったけどそのぶんのサイズといったような感じだった。私がせっかくのドイツなのに残念に思ったのは、ドイツの名産品でもあるビールが何1つ飲めなかったことだ。たくさんの種類を挑戦したがやはり、苦味のある飲み物であるためなのか苦手を克服できなかった。しかし周りの友達は美味しいと言いながらたくさん飲んでいた。とても羨ましかった。私はまたいつか行った時、その時こそビールを美味しいと言いながら飲めるようになりたいと思う。

 この研修は友原先生だったからこそこうして研修、経験、観光たくさんの学びがあり出会いがあったんじゃないかと思う。先生を通して出会った方々や、電車、レストランで出会った方たくさんの出会いがありたくさんの親切に触れてこれから自分がどうあるべきなのか改めて学んだ。日本に来る観光客にも私が今回ヨーロッパ研修で経験したように観光だけでなく人の温かさに触れられるような観光をして欲しいと思った。この研修では、観光地を学ぶことはもちろん、初めてのたくさんの経験、人の温かさ、日本と違うところなど様々なことを経験できて学べて本当に良かったと思う。

髙島さん① 髙島さん②

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